ザ・マスター / The Master

ザ・マスター / The Masterのレビュー・評価・感想

ザ・マスター / The Master
8

2人の男優がすごい。

ホアキン・フェニックスとフィリップ・シーモア・ホフマンというどちらも癖の強い、演技力もめっちゃある俳優を使っていて、とても見応えがありました。
なんで洗脳されるの?とか普通の精神状態の時は思うけど、戦争で傷つき、誰からも求められていないと思って生きていていたフレディにとって、マスターの存在だけが自分がいていい証だったのかなと思います。それくらい彼の精神は病んでいたし、彼の気持ちに共感できました。マスターは上の者としてさすがで、別れる時も、それが運命であること、あなたのことを嫌いになったからではないことみたいなことを言ってて、最後の最後までフレディの心を掴んでいたと思いました。そんなことなかなかできません。もちろん、本当に気があったとか、何か周りにはわからないものが2人の間にあったのかもしれませんが、もしかしたら、本当にただフレディを利用していただけなのかもしれません。そう思うと、ほんと宗教というものは怖いものだなと思います。
ホアキンはジョーカーを見たときも思いましたが、マジで常軌を逸した役が似合います。演技はもちろんですが、顔とか体つきがいいです。やせ細った、骨ばった顔が繊細そうで、それでいて目力があって、すごくいい顔だなと思います。