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子役の落語がよかった

「面白いかどうかは客が決める」というセリフが良かったです。たしかに、芸事なんてそんなもんで、どんなに頑張ってるとか、古典に沿ってるとか関係ないのかもしれません。ですが、落語という一人でしゃべる芸で、しゃべってないのと同じになるなんて、厳しいなと思いました。ずっと二つ目の落語家、三つ葉が落語教室を開き、そこの生徒と交流するという話です。関西弁でいじめられている少年も叔母の紹介で落語を習いに来るのですが、この子がとても良かったです。他の生徒たちと同様、最初は落語が好きとかそういうことじゃなく、習いに来るのですが、どんどん純粋に落語を好きになっていってるところが良かったです。いじめに対しても、力とかじゃなく、笑わせてやればいいじゃないかって考えはいいと思います。饅頭怖いも上手かったです。三つ葉を演じている国分君は、たしかにまじめな感じに見えるし、とても合っていたのではないでしょうか。落語もとても練習したのだと思います。でも、落語家はやっぱり、なかなか役として難しいですよね。そんな笑えたとかはなかったです。でも、古典、古典とこだわってばかりで自分の落語がなかった人が、自分の言葉で落語ができたっていうのは感動的でした。