コンクリート・ブロンド / Concrete Blonde

コンクリート・ブロンド / Concrete Blondeのレビュー・評価・感想

New Review
コンクリート・ブロンド / Concrete Blonde
7

独特な魅力を持つLAのロックバンド

80年代から活動するロサンゼルスのロックバンド、コンクリート・ブロンド。
よく言われているのが、彼らの音楽はジャンルの特定が難しいということ。
ポストパンク、ゴシック、ポップロック、メタル…など、多様な曲調の間を自由に行き来する、つかみどころのなさがそうさせています。
そのためになんとなく統一性に欠いた印象があり、大きな成功に繋がらなかった要因となっている模様。
しかし、何か惹きつけられる独特な魅力を持っているのも事実で、ハマれば味わい深い世界を堪能できます。

私がコンクリート・ブロンドを知るきっかけとなったのは、1991年のアメリカ映画『ハートブルー』でした。
この映画のサウンドトラックに"I Want You"という曲を提供。
映画界から人気なようで、様々な映画のサウンドトラックに使われていることから、ハリウッドらしいバンドであるとも言えます。

90年リリースの『Bloodletting』が最も人気なアルバムですが、ここがバンドの最高地点であり、その後は才能が薄まっていってしまったようで残念です。
『Bloodletting』収録の"Tomorrow, Wendy"のやるせない悲しみには胸を打たれ、何度も聴き入ってしまいました。
AIDSを患った女性ウェンディのことが歌われており、誰かを失った人のための曲とのこと。
ボーカル兼ベースのジョーネット・ナポリターノのブルージーな声が引き立つ、素晴らしい一曲です。

ジョーネット・ナポリターノのボーカルが堪能できる曲として、ジャニス・ジョプリンの名曲をカバーした"Mercedes Benz (Live)" もイチ押し 。
96年のベスト盤『Recollection - The Best Of』に収録されています。