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こういう人がいてもいいのか否か
いろいろ考えさせられる作品です。偽医者など許されることではないけれど、彼がいてくれたことで、実際に村のみんなは助かっていたし、いろんな人を救ってきたのだと思います。ただ、そこにいて、痛いところをさすって、必要な薬をあげる、それだけでよかったのかもしれません。過疎の村だと医師も少ないし、こういう人がいてもいいんじゃないかとさえ思いました。
でも、やっぱりだめなことですよね。そりゃあ、警察も追います。だから、この展開しかありえないのでしょうが、伊野が去ってより彼の人となりが分かったという感じです。伊野は笑福亭鶴瓶さんが演じてますが、それがハマり役でした。すごく穏やかな感じがするし、彼になら何でも話せそうです。みんなが神と崇めるのもわかります。鶴瓶さんといえば、バラエティでの楽しい姿が印象的なので、こういう影のある役も似合うんだとびっくりでした。また、八千草薫さんや、余貴美子さんなど、脇を固める役者も素晴らしい人ばかりで、安心して見ることができました。
田舎の風景ものんびりしていてノスタルジックな気持ちになれました。終わりは、きちんとは描かない手法で、え、結局、伊野は捕まらないの、どういうこと?と思いましたが、その余韻もまた、いい感じだなと思います。