はめつのおうこく

はめつのおうこく

『はめつのおうこく』とはyoruhashiによる日本の漫画作品。『月刊コミックガーデン』にて2019年より連載されているダークファンタジー。2023年にはTVアニメ化が決定した。同作者の前作『剣の王国』と入れ替わるように連載が開始され、設定的にもつながりがある。魔女による魔法が存在する世界。超産業革命により発達した科学の力を手にした人間は、魔法を排除するため、魔女を弾圧し始める。師匠である魔女を殺された人間の少年アドニスは、復讐の魔法使いとして世界へと戦いを挑む。

はめつのおうこくのレビュー・評価・感想

はめつのおうこく
9

ウェブコミック「はめつのおうこく」が面白い

大手無料コミックアプリcomicoで人気のあった「剣の王国」。世界観やストーリーが作りこまれていて、展開も見事。なおかつ毎週とてもクオリティの高いフルカラーで連載していたyoruhashi先生が媒体を変え、連載を開始した新たな物語です。現在マンガドア・pixivコミック・月刊コミックガーデンで掲載されています。人類に尽くしてきた魔女族である最愛の師を殺された少年アドニス。人間の身でありながら師から教わった魔法を使い、人間たちに復讐を始める…という重いプロローグで始まるファンタジーです。師が殺されるところなど、凄惨な場面も臆することなく描写をしていますので苦手な人がいるかもしれません。ですがその場面こそが、まさにアドニスの心に人間への怨嗟と怒りをもたらしたもの。ここから一人立ち上がり復讐を始めるまでずっと、心にとらわれていた光景です。世界がすべて敵だという孤独をまとったアドニスの前に、師と同じ魔女族の少女が現れます。ところが、師を生き返らせることができると言い残しその少女は、人間の放った銃弾で倒れてしまうのですが…。その少女ドロカはコミック第一巻の表紙にも描かれるほどの重要人物。心優しいドロカが、孤独で非情になりはてたアドニスと関わってどう物語が転んでいくのか、単なる復讐劇では終わらない心震える展開があると私は思っています。