もみの家

もみの家のレビュー・評価・感想

もみの家
7

逃げることがいいことだというのがいい。

本作は、いじめとかいろんな事情で、学校とかに行けなくなった若者が共同生活をする施設が舞台の作品です。
彩花が、その施設に行ったとき、ゆっくりゆっくりねといってくれる大人ばかりですごくよかったです。
心が荒んでしまったとき、一番大事なのは休むことなのかなと思います。
いじめられても、ずっと学校に通っていて、余計に傷が深くなるひともたくさんいます。
本作でも、いじめを受けたという若者が出てきますが、彼のお父さんは彼に、いじめは逃げるのが一番!と言ったと言います。
それがすごくハッとさせられました。ほんとその通りだと思います。
でも、そのことを親が子どもに言えるかというと、なかなか難しい気がします。すごく素敵なお父さんだなと思いました。
そんな仲間や、優しい大人たちに触れて、彩花さんが立ち直っていく姿が素敵でした。
彼女と仲良くしてくれるおばあちゃんがすごく優しくて、いい人で、おばあちゃんとのシーンはどれもほっこりしました。
だから、おばあちゃんの最後にはびっくりしたし、悲しかったです。
そういうことが人を成長させるとはいうけど、かわいそうでした。
人の生と死に触れて、成長した彩花さん。彼女の未来の幸せを願いたくなる、そんな映画でした。