TAJOMARU

TAJOMARUのレビュー・評価・感想

TAJOMARU
6

盗賊らしからぬ優しい盗賊に心癒される

小栗旬、田中圭さん主演。
畠山直光という名と家督、縁談をめぐり三人の男達が争う。
全体的には飽きずに楽しめた作品です。
しかし、松方弘樹さんが「たじょうまる」と言う盗賊を演じていましたが、こんなに情にほだされる盗賊なんていない!と思うなどと突っ込みどころは満載でした。
あこ姫と話をしてあこ姫が逃げ去り、直光が助かり、当の本人がうっかり殺されてしまうのではあっけなさ過ぎです。
それで剣と名前を引き継ぐのですが、名前や映画の題名になるほどの人物ですから、もう少し重味があっても良いのではないかとも思いました。
例えば、性格は温和だけども真剣勝負して負けてしまったら潔く覚悟を決めるなどの信念をもった盗賊だとかいうように。
松方弘樹さん自体は役柄にあっていたので、設定を変えるべきです。この辺りがなんとも奇妙な感じを受けました。
さらにはたじょうまるの仲間では無いけれど、山中で知り合った他の盗賊たちも直光に友好的過ぎです。
着ている衣装などから良い家柄の人間だと推測できたなら、もっと凶暴なはずではないでしょうか。逆にだからなのか?
これぞ邦画と言った感じでライトに楽しめる映画です。
直光の仲間になってほっと出来るのですよね。
背景として、桜丸役の田中圭さんが大御所様の慰め役だったと言う事もあり、彼がなぜ畠山家を裏切ったかというところもストーリーの中に入れた方がしっくりきたとも思います。
幼い頃にせっかく命を助けたのに、裏切られるのにはそれなりの動機がないとおかしいですよね。
と、突っ込みどころは沢山ありますが、最後には丸く収まったなと許せる感じの映画です。