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ママじゃなくて実はパパ!?完璧すぎな女装生活の真意を描いた温かい漫画
『ジャングルはいつもハレのちグゥ』の頃から作者の金田一蓮十郎さんの大ファンで、本屋さんで金田一先生の漫画を見つけると内容を知らなくてもすぐ購入してしまいます。
『ヤングガンガン』に場所を変えて、作風が変わったりするのかと思いましたが、いつもの金田一先生節とも呼べる、昼ドラっぽいけどそこまでドロドロとしない、レディコミ的展開が散りばめられている最高の一冊です。
主人公は美人のママ!と思いきや…実はパパ!?という、突拍子もないところから物語が始まります。
主人公・須田真琴は、血のつながっていない息子・須田崇を「シングルマザー」としてひとりで育てています。
しかしそれは仮の姿で、崇に見つかってしまわぬように、会社以外では女装をして日々を過ごしているのです。
もちろん、女装をしているのは真琴の趣味ではなく、全て息子の崇のためで、決してバレてはいけない…という、ドキドキ感もあります。
現実だったら「いやいやいや、なんじゃそりゃ!」と言ってしまいそうなお話なのですが、金田一先生のストーリーと美しい絵は、ガッツリと物語に読者を引き込みます。
そんな二重生活を送る真琴が、とある女性に恋をする、というのが1巻の内容です。
少年誌では切り込みにくかった性の話も盛り込まれており、1巻だけでも読んでみる価値のある漫画だと思います。