愛されない私を救ってください~スピリチュアル女子の末路~

愛されない私を救ってください~スピリチュアル女子の末路~のレビュー・評価・感想

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愛されない私を救ってください~スピリチュアル女子の末路~
8

スピリチュアルのリアルな闇に戦慄!

世界中でフィーバーしていたスピリチュアルブーム。自分もその流行りにまんまと乗せられ、片足ぐらいはつっこんでいたのでわかります。この漫画はヤバイと。描かれているストーリーがフィクションなのか、ノンフィクションなのかわかりませんが、スピリチュアル業界というものの特徴が、すごく上手く表現されていると思います。

主人公がハマってしまうスピリチュアルの先生、その名も「ふんわり先生」は、優しげで、すべてを受け入れてくれて、自分を導き、救ってくれるように見える存在。しかし、ときどき見せる狡猾な表情がなんとも恐ろしく、その得体の知れなさに戦慄します。そして、ふんわり先生の導き(要求?)に従ううちに、主人公は救われるどころか、泥沼にズブズブとハマっていきます。

このふんわり先生のキャラクターが表しているのは、スピリチュアル業界そのものであると思います。見た目はまるで救世主のようであっても、実際は底なし沼のようなもので、到達するべき目標もゴールもなく、ただ時間、労力、お金をつぎ込んで、永遠に終わらないレッスンを受け続ける。この漫画の主人公は自分の大切なものまでも犠牲にしなくてはならず、読んでいてショックを受け、悲しくなり、怒りを覚えました。

主人公がスピリチュアルにハマる以前に、彼氏からの裏切りや、不倫を経験している点もリアリティーがあると思います。現実でも、スピリチュアルを勧めてくるのは不倫をしているような女性であることが多いです。