キャラ設定は良いが、ストーリーについていけない
会社の中ではお局的存在で、女子力もあまり高くなく、キャピキャピしたところのない主人公に共感して読み始めましたが、恋愛が展開していく様子には共感できず、少し期待外れな作品でした。
恋の相手はだいぶ年下のイケメン君。彼のルックスはすごく格好良く描かれていて、目の保養になります。「可もなく不可もなく」みたいな主人公との恋のきっかけは、お互いの利害が一致した取り引きからはじまるのですが、ちょっとこの設定も強引なような気がします。そして、その取り引きのパートナーとしての仮面カップルの状態から、本当に恋心を抱くようになっていく過程もテンポが早すぎて、うまく出来過ぎな感じについていけませんでした。
年下イケメンとの恋はトキメキがあっていいと思います。こんなイケメンの王子が、その気のない年上女性にいじわるをして気を引こうとする…。こういうシチュエーションにはドキドキするし、正直憧れます。でも、もう少し葛藤とか、紆余曲折とか、現実の30代女性が感じそうなことを盛り込んでくれていたら、ドラマとして面白くなっていたのではないかと思い、残念です。女性にとっての願望とか、期待とか、妄想的なものが作品の中心となっている反面、内面の感情的な深みが描かれず、ご都合主義なストーリーになってしまっているように感じられました。