ソワレ / Soirée

ソワレ / Soiréeのレビュー・評価・感想

ソワレ / Soirée
7

若い二人がすごい!

若い2人の話なので演じてる役者さんも若いのですが、すごく役に入り込んでて、うまいと思いました。村上虹郎さんは夢に敗れて、荒んでる感じが出ていましたし、芋生悠さんは悲壮感が半端ないです。そして、いい家庭環境にいなかったことを裏付ける妙な大人っぽさと大人になりきれない子どもっぽさを兼ね備えてる感じでした。
お話はひどい話だと一言に尽きるものです。あんな人生を背負わされて、そりゃあ刺すよだし、あのとき自首してればだけど、今まできっとずっと誰にも信じてもらえないみたいな、そんなことがあっての選択なんだろうから悲しすぎます。いや、婦女暴行で捕まってんだから信じてもらえるだろうって気もしますが、なんかうまく人に現状を伝えられない人もいますからね。そういうことだったのかもしれません。
男の方は、そんな彼女に同情や共感を寄せることの出来るいい人でありながら、そんな甘い世界でもないのに夢が叶わないとやさぐれて、安易に犯罪の方に流れたり、頑張ってる女にあてつけかみたいなこといっちゃう悪いところもあって、なんか若さゆえの過ちっていうのも違うけど、若いなって感じでした。どんなオチが待ってるのかなと思っていたら、なんだか泣けちゃうラストでした。ああ、誰かの心に自分はいたって、そのことは、なんて尊いんだろうと感動しました。