はちどり / 벌새 / House of Hummingbird

はちどり / 벌새 / House of Hummingbirdのレビュー・評価・感想

はちどり / 벌새 / House of Hummingbird
9

共感できる人が多いと思う。

すごく共感できた作品です。私の家が、ウニの家のような家庭だったといわれるとそうではなかったですが、私も生きづらさを抱えて生きていたし、そういう人は多いと思います。そういう人たちにずんと訴えてくるものがある作品でした。友達と喧嘩したり、仲直りしたり、親がなんで自分を無視するんだろうと悩んだり、ほんとにこの世は理不尽なことばかりです。ウニがそんな世界で、自分を好きになれないというのにすごく共感を覚えました。
そのあと、とある先生に出会い、彼女は変わります。そこもすごく大きな変化もなかったし、先生に出会ったから全てが解決したとかそういうふうに描かれてなくて、いいなと思いました。気の持ちようで変わるなんて、そんな単純なことでもないとは思うし、そういう風に描いてたわけでもないとは思いますが、やはりこの時期にいい人に出会うとこんなにも救われるのかと感動しました。こんな先生に私も出会いたかったです。
先生自身、女性ですし、家父長制の中国でウニと同じように窮屈な思いをして生きてきたのかもしれません。でも、彼女を見ていると未来に希望が持てるというか、ああ、生きたいなとウニも思えたのかなと感じました。映像も美しく、言うことなしの作品でした。