Fukushima50

Fukushima50のレビュー・評価・感想

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Fukushima50
6

日本人の命を大切にしながらの戦い

原発の映画なので、気持ちが沈むかと思っていましたが、かなり観やすくできていると思いました。海外の原発事故の映画に比べると、人的被害が少なく思えるが、実際に放射能を撒き散らしたと言う事実は、比較するものでもない。
事実に基づいて作られている点から見ると、総理が相当にうざく感じる。その辺は、少し誇張していると思いたいが、実際の中継でもその様な場面があったようなと、思い起こさせる。
配役が良く、吉田所長や伊崎さんを中心に命を大事にしつつも、原発と向き合い続ける隊員達の緊迫感は伝わってきた。吉田所長の表に、怒りを出すと性格と、伊崎の内に秘めるような感じが対照的で良い。個人的にはご年配だった大森さんを応援していた。最終工程では、あんなにも悲壮な状況だったのかと思うと、よく2号機が持ち堪えたなと、そこの奇跡は奇跡として伝えていきたい。
ただ、少しエンターテイメント寄りで、限られた時間で物語るなら、ドキュメンタリーや民放ドラマでも良かったんじゃないかと思う点はある。
今もなお、あの時の恐れの記憶や被爆の後遺症と戦い続けている人達や、廃炉までの長い長い道のりを代わり代わり、被爆しながら戦い続ける人達が、居ることだけは絶対に忘れてはならない。