バトル・ロワイアルII 【鎮魂歌】 / BRII

バトル・ロワイアルII 【鎮魂歌】 / BRIIのレビュー・評価・感想

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バトル・ロワイアルII 【鎮魂歌】 / BRII
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バトルロワイアルの名を借りた反戦映画

前作、バトルロワイアルの続編になります。
前作は中学生のクラスメイト同士が殺し合うことを命じられ、殺すか殺さないか、脱出を考えるか、それとも自ら死を選ぶか等、中学生らしく葛藤する姿が描かれていました。
しかし、今作はBR法がさらに改正され、クラスメイト同士の殺し合いではなく、テロリストのトップとなった前作の主人公・七原秋也を殺すために行われる戦争ゲームとなっています。
中学3年生が男女でタッグを組み、片方と距離が離れるか、片方が死亡すると、もう片方も首輪が爆発し、道連れ的に死亡してしまうという、本当に七原秋也を殺すつもりがあるのか?と思ってしまうような、かなりトンデモなゲームルールです。
友達を殺すか、を悩む前作とは違い、なんの苦労も知らない現代の中学生達が徴兵され、テロリストを相手に戦うという構図になっています。
前作は「中学のクラスメイト同士が殺し合う前代未聞の殺人映画!」という感じでしたが、今作は「反戦」というとても強いメッセージのこもった映画にイメージが一新され、前作とのギャップに驚いた人が多かったのでは無いかと思います。
とはいえ、話の持っていき方や、このシリーズにおけるセオリー、更にそこかしこに前作との繋がりを感じる要素も含まれており、前作を楽しめた方には面白い作品なのかなと思います。
戦争の最前線に立たされる子供たちの主人公は、忍成修吾さん演じる青井拓真です。
繊細でキレやすい性格で、前作の七原秋也とは正反対の芯のないイマドキな中学3年生です。
とにかくキレて騒いで味方に致命傷を負わせてしまう拓真に、若干イライラしつつ鑑賞していました(笑)。
とはいえ、本当にこうなったら現代の中学生なんてこんなもんか、とも思いました。未熟で青い中学生感がちゃんと出せている忍成修吾さんの演技力は素晴らしいです。
前作とはちょっと毛色の違う作品ですが、深作欣二監督の最後の作品として鑑賞する価値はあると思います。