であいもん

であいもんのレビュー・評価・感想

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であいもん
8

であいもん・和菓子を通した家族愛

2016年から連載されている浅野りんによる和菓子屋漫画。京都の老舗和菓子屋を舞台に、父親に捨てられた娘と夢やぶれた男が菓子を通して心を通わせていくハートウォーミングストーリー。

ュージシャンを志して上京した納野和だったが、東京に出て10年目にしてバンドが解散。そんな折、実家の和菓子屋から父親が入院したとの手紙が届く。急いで実家に戻った和だったが、そこには元気な姿の父と、実家に居候中の少女・雪平一果がいた。家を継ぐつもりで戻った和に対し、冷たく接する一果だったが、、、。
2022年4月からアニメ化もされている本作品。ミュージシャンの夢が破れた中年男性と訳も分からず父親に捨てられた小学生の女の子という、中々に重めのバッググラウンドを持つ2人がメインのお話だが、主人公の和の緩さとポジティブさのお蔭でほぼ全く暗い雰囲気にならず、段々とお互いを理解していき、血が繋がらないながらも親子のようになっていく様が描かれている家族愛が主題の作品。
基本的にグルメ漫画であるので、周りで何か問題が起こる→そのトラブルに絶妙に合った菓子が登場、というのが大体の話の筋ではあるが、菓子一つで全て解決、までの強引な展開にはならず、各話に紹介される菓子が和菓子らしくそっと話のお供に添えられる塩梅が非常に良い。
育児放棄、和を巡る三角関係などなんとも話がドロドロしそうな要素が含まれているにも関わらず、全くストレスにならず、むしろついつい頬が緩むストーリーなので読んでいてストレスにならない。
とにかくイライラしたり落ち込んだりした時は、甘いもん食ってであいもん読めば大体元気になる、という作品なので一読推奨。