ラスト・オブ・モヒカン

ラスト・オブ・モヒカンのレビュー・評価・感想

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ラスト・オブ・モヒカン
9

争いは憎しみしか生まない。

モヒカン族の長の息子と、英軍大佐の令嬢の恋の話です。植民地を巡り、英軍と仏軍が争っているなか、全然違う立場のもの同士が愛し合うというものでした。これが、歴史的に正しいのかとかは全然知らないのですが、とても良い映画でした。アメリカ東部の話なのですが、そのころの歴史をもっと勉強したから見るんだったと後悔しました。そしたら、もっと面白かったと思います。英軍と仏軍が植民地を巡り争っていて、それを原住民族が苦々しく思うって話かと思えば、モヒカン族はモヒカン族で、ヒューロン族と争っているという。結局、人間ってそういうものなのかなと思いました。民族間の争いもあるし、国同士の争いもある。悲しい話ですが、そうなのかもしれません。ですが、争いでは何も生みません。憎しみは憎しみを生むだけ…、そのことがよくわかる映画でした。愛する人の身代わりになって火あぶりになった少佐や、女子どもも殺される様子など残忍な場面が続きますが、元来、戦争って残忍なものだと思います。英国大佐令嬢も気の強い感じでよかったです。そして、男の方の主役はダニエル・デイ・ルイスなのですが、すごくかっこよかったです。挑発をなびかせ、走る姿がワイルドでした。彼を見るためだけでも見るべき映画です。とても壮大で、いろいろと考えさせられる映画でした。