キングコング:髑髏島の巨神

キングコング:髑髏島の巨神

『キングコング:髑髏島の巨神』とは、2017年に公開されたアメリカの怪獣映画。アメリカを代表する怪獣キングコングを題材とした作品としては8作目で、アメリカ版怪獣映画シリーズ『モンスターバース』の2作目の作品である。監督はジョーダン・ヴォート=ロバーツ、主演はトム・ヒドルストン。キャッチコピーは「この島で、人類は最弱」。全世界で5.6億ドルもの興行収入を記録した。
1973年、特務研究機関MONARCHは未開の「髑髏島」の調査を敢行。そこは巨大な怪生物と島の王コングが徘徊する脅威の場所だった。

キングコング:髑髏島の巨神のレビュー・評価・感想

キングコング:髑髏島の巨神
8

モンスターバーズの本格始動となった新生キングコング映画

2017年に公開されたレジェンダリー・ピクチャーズ制作の怪獣映画で、怪獣映画の元祖『キングコング』の2005年版以来の12年ぶりの新作。レジェンダリーが既に制作していた2014年版『ゴジラ』とのクロスオーバーを想定した、「モンスター・ヴァース」の2作目となります。
1970年代の過去を舞台に、コングが守る髑髏島に遭難してしまった調査チームが、島に住む数々の巨大生物の襲撃に遭いながら脱出を計るあらすじとなっています。

2005年版が『コング』初代のリメイク的な作品でほぼ巨大なゴリラといった印象だったのに対し、本作におけるコングは直立。最初から30mの巨体で(後に現代が舞台になるのとゴジラと並びたつ必然性から更に巨大になりますが)、近代兵器でも死なないなど文字通り”大怪獣”となっています。
本作でも多少は描かれているものの、これまでの作品のような”美女と野獣要素”は薄目など、コングのキャラが大幅に(イメージを崩しすぎない方向で)変化が行われたためにより娯楽性が高まっていました。

また2014年版『ゴジラ』では多少遠慮気味(?)だった怪獣描写も、本作から出し惜しみなしになっていき、モンスターヴァースの痛快な怪獣プロレス(件出し惜しみなし)路線を決定づけた作品になってる印象でした(笑)。

また70年代が舞台ということもあり、ベトナム戦争を背景にした独特の雰囲気も印象的でした。次回作以降の伏線としてゴジラの存在も匂わせる描写も多々あるので(この辺りはユニバース映画あるあるな感じですね笑)ゴジラファンも楽しめる作品になっていますね。

キングコング:髑髏島の巨神
10

迫力ある戦闘シーンと、感動があった映画

コングやスカル・クローラー、怪鳥との戦いは凄まじい迫力を感じて、ドキドキハラハラしました。その戦いはどれも手に汗握るものばかりで、惨劇シーンは怖かったです。次々に殺され、死んでいく兵士たちの姿が描かれたシーンは、どれも悲しいものばかりでした。特にニエベスが怪鳥に襲われるシーンはグロかったし、復讐に目が眩んだパッカード大佐とコールの死に様は悲しかったです。調査を言い出したランダも不注意で撮影してしまったせいで、スカル・クローラーに捕食されたのは不運で、彼の離脱はとても痛かったシーンでした。でも、コンラッドと、島に住む怪獣を助けてくれたウィーバーに心を許したようなコングが、ウィーバーを守りながら大型のスカル・クローラーを絶命させたところは格好良かったです。本当に守護神なのだと感じた瞬間でした。そんなコングが、髑髏島から脱出できたコンラッドたちを島から見送ったシーンは、感動しました。
マーロウも無事妻子と再会できて良かったです。ハッピーエンドで終わったかに見えたこの映画の最後に、まだ他にも怪獣がいることを知った時は驚きました。モナークとコンラッドたちが、次にその怪獣たちを調査する日が楽しみです。