スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号

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スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号のレビュー・評価・感想

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スーパーヒーロー大戦GP 仮面ライダー3号
7

ラストのもやもやはネットで解消!?

本作はそれまでの「スーパーヒーロー大戦」とは若干主旨が異なる点があり、ストーリーの進行に説明不足な部分を感じたり、それまでの歴代ライダーの立ち位置や敵対する組織「ショッカー」の作戦が結局何をしたいのかよく分からぬまま、これまた唐突に現れるスーパー戦隊のロボにより壊滅・終息し、その戦いの最中で「仮面ライダードライブ」でレギュラーキャラクターの一人が命を落としたまま、映画が終了してしまう非常にパラレルワールド感あふれる(悪く言えばすっきりしないままの)終わり方をする内容で、個人的に色んな感情を抱いた作品として非常に印象深いです。
それまでの「大戦」が春映画に相応しいお祭り騒ぎの様な、ヒーローと顔出しする役者の数の多さを前面に押し出したオールスター戦のような特別感で作られた作品が多く、それほど込み入ったストーリーは描いてこなかったように思うのですが、こと「仮面ライダー3号」に関しては出自からして複雑であり(何せ3号ライダーならV3が既に存在している為)、そこにタイムパラドックスの要素を組み込んだために初見のみでストーリーを理解しようとしてもなかなか難しいのです。タイトルの「仮面ライダー3号」がドライブや客演のRXの敵なのか味方なのか、最後の最後まではっきりせずラストのオチとつながりが分かりにくいのです。
ではなぜ、私がこの作品をわざわざ紹介しようと思ったのかと言うと「ドライブ」、「RX」と共に「3号も車に乗るライダー」だからです。仮面ライダーと言えばバイクで移動し戦うのが当たり前。基本設定であり「ライダー」のアイデンティティと言える重要な部分であることは言うまでもありませんが、その設定を覆したのが自動車にしか乗らない「仮面ライダードライブ」でありバイクにも車にも乗る「RX」でした。そこに割り込んできた「3号」は元々凄腕の自動車レーサーであり、操るマシンも四輪のトライサイクロン。劇中でも何度かライダー同士によるカーチェイスやレースのシーンが観られるという、貴重な作品なのです。
他の大集合系作品では尺の都合もありライダーがマシンに乗って戦うシーンは非常に少なく、あってもCG処理だったりしますが、自動車でのレースはライダーあるなしに関わらず見映えが良く迫力もバイクとは違ったものがあります。惜しむらくはレースをメインに据えられなかったこと。どうしても怪人とライダーの肉弾戦が無いと何の映画か分からなくなってしまう。そしてこれはとても大胆な展開なのですが、パラレルで終わってしまったストーリーには実は続きがあって、「仮面ライダー4号」という作品がウェブ上で有料公開され、そこで全ての謎が解ける内容になっているのです。商売とはいえこれには閉口せざるを得ませんでした。そういう経緯もあり、「仮面ライダー3号」には良い印象はありません。