バベットの晩餐会

バベットの晩餐会のレビュー・評価・感想

バベットの晩餐会
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宝くじが当たったら、どう使いますか?

日本では1989年に公開されたデンマークの映画で、アカデミー賞最優秀外国語映画賞を受賞している作品です。
バベットはパリの混乱により家族を失い、ユトランド半島にあるデンマークの田舎へ亡命します。
そこで牧師である父のもと慎ましく暮らす美しい姉妹の家政婦として働くようになります。
月日が過ぎ、姉妹もバベットも歳をとりました。
そんな時、バベットは1万フランの宝くじを当てます。
姉妹は当然、バベットがこのお金でフランスへ帰ってしまうものと考えますが、バベットはそうしませんでした。
1万フランをユトランドで使い果たし、これからもこの土地で暮らすと姉妹へ告げます。
全く豊かだとはいえない土地で、住民たちからの信仰心を原資に生きている姉妹の世話になってきたバベットにとって、このお金は人々に感謝の気持ちを表すことができる願ってもないチャンスでした。
さて、もしも高額当選したらどうするか。だれでも一度は考えますよね。
なかったはずのお金です。未来へ投資しますか?今を楽しむことに使いますか?
バベットのように、過去への感謝と周囲の人々のこれからのために使い果たすことができるでしょうか。
タイトルは『バベットの晩餐会』です。
彼女がどのように1万フランを使い果たしたのか、また、晩餐会に参加した面々の心の動きが見所です。