アジョシ

アジョシのレビュー・評価・感想

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アジョシ
10

韓流イケメン映画だと思ってみたら最高の意味で裏切られました。

タイトルのアジョシは韓国語で「おじさん」という意味。主演は韓国四天王の1人、ウォンビン。ウォンビン扮するおじさんとと少女のちょっぴり切ないハートフルストーリー。と思って観たら気持ちいいくらいに裏切られました。最高の意味で。
物語の始まりは人目につかない質屋ではたらくどこか闇の香りのするおじさんウォンビンと、麻薬中毒の母を持つ明るいけどどこかさみしげな少女の出会い。2人は会話こそ多くないものの確かなあたたかさを感じる関係性。おじさんには大切なものを失った過去。また大切なものを失ってしまうのか?それだけは、それだけは、というおじさんの心の悲鳴が聞こえてきます。悪者たちもとてもいい。キリスト教が主流の韓国において人身売買をして金儲けをする極悪非道の悪者たちがなす術なくウォンビンに殺されていく姿はスカッとします。ウォンビンの目が綺麗なこと。人を殺しても血がついても綺麗な目をしているウォンビンが逆に恐ろしい。後半のセリフの、「お前は明日を生きる。明日を生きるものは今日を生きるものに殺される。それがどんなに悲惨なことか思い知らせてやる。俺は今日を生きる」最初はかっこいいセリフだけど、どういう意味だ?とおもっていましたが、ウォンビンはきっと昔は明日を夢見て生きていたんですね。それを後のない今日を生きるテロリストに奪われた。今はもう明日じゃなく今日を生きてるんですね。あぁ、最高。