あの寅さんが!ついに日本を飛び出す!
「わたくし、生まれも育ちも東京葛飾柴又です。 帝釈天で産湯を使い、姓は車、名は寅次郎、人呼んでフーテンの寅と発します」
このセリフで始まるこの映画。寅さんが美人に恋して、毎回フラれる。展開は毎回同じなのに、なぜかクスリと笑え、いつ見ても面白い。時代を超えて、世代を超えて愛され続ける作品。
今回の舞台はオーストリアのウィーン。旅先で疲れ果てたサラリーマン・坂口兵馬を助け、励ましているうちにウィーン旅行に誘われてしまう。断るつもりが、結局オーストリアに同行してしまった寅さんはそこでもやはり、ガイドをしていた、今回のマドンナ、竹下景子演じる久美子に出会う。久美子は寅さんに会ってからというものの、故郷を思い出し日本に帰りたくなる。でも、恋人がこの国にいる。2つの気持ちの中で揺れ動き、結局どうするのか。
撮影地になった「寅さん公園」は、オーストリアのウィーン市21区フローリツドルフにある。フローリツドルフと東京都葛飾区は、映画『男はつらいよ』シリーズが取り持つ縁から友好都市になったらしい。ザ・日本の寅さんと洒落た外国の風景。映画内には、アンバランスな風景が数々と並ぶ。中でも印象的なドイツ語で話す夫人と日本語で話す寅さんのシーン。言葉は通じないが、なぜか会話は通じ合う寅さんの魅力が爆発。やっぱりどこでも、変わらない寅さん。