怪奇人形館

怪奇人形館のレビュー・評価・感想

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怪奇人形館
7

人形って怖い

犬木加奈子さんの人形にまつわる怖い話の短編集です。
子ども時代、特に女の子は人形と慣れ親しんだので、とても怖いです。
人形には魂が宿るとよく聞くし、怖い話も作りやすいのだろうなと思います。
でも、犬木さんは断然センスがいいです。よくある話なのですが、どこか他の話と違っていて面白いです。
出てくる人形も着せ替え人形、腹話術の人形、マネキンといろいろでバラエティに富んでいます。
犬木さんの絵は、可愛らしいような、不気味なような感じで、ホラー漫画にあっているし、少女漫画なのに血がどばーと出たり、スプラッター要素も強いので好きです。
本作のお話は怖い話ばかりじゃなく不思議な話って感じなのもあります。
わたしが短編集の中で好きな話は腹話術の恋の話です。
ものすごく美しい男性とおどけた人形のコンビがいて、とある女性がその美しい男性に恋をするのですが、実は…って話でオチは読めてしまうのですが、女性も男性もかわいそうでよかったです。
お化けとか霊的なものが関わっていない話で、そういうのがあるのもいいなと思います。
あと、マネキンの話は恐ろしくて、服屋のマネキンが怖くなります。
この頃頭部のないマネキンもあるけど、そっちのほうが平和なのかなとか思いました。