息子の部屋 / La stanza del figlio

息子の部屋 / La stanza del figlioのレビュー・評価・感想

New Review
息子の部屋 / La stanza del figlio
5

淡々としていた

最愛の息子が事故で死に、崩壊する家族を描いた作品です。
娘は、どうにかしようとするけど、うまくいかなくて、イライラして問題を起こしたり、父は自分があのとき、往診に行かなければと自分を責め、母は娘が作ってくれた朝食にも現れず、父母の仲にも亀裂が入り…となんとも憂鬱な感じの映画でした。
そんなに大袈裟な表現はないのですが、みんなが傷つき、どうしようもない感じが出ていたと思います。
家族を亡くしたときってこんな感じになるんだろうなというのがわかりました。
彼が悪いんじゃないのに、往診に呼んだ患者を恨んだり、きっと行き場のない怒りでいっぱいだったのでしょう。
なんか見ていてつらいなという感じでした。
息子の死がつらいのは家族だけではないのに、息子のガールフレンドになかなか手紙がだせなかったり、周りに気を使う余裕もなくなるのだなと思いました。
その後、息子のガールフレンドが家に来てくれたことで、ちょっと前を向けた感じで映画は終わるのですが、全体的には暗い感じの映画です。
これがリアルな感じはするけれど、淡々と進むし、盛り上がりには欠ける映画でした。
でも、前向きな感じで終わるし、何かが心に残る、そんな作品でした。