気がつけばうちのごはんのにおいだった

気がつけばうちのごはんのにおいだったのレビュー・評価・感想

気がつけばうちのごはんのにおいだった
8

切なくなるグルメ漫画

草野誼さんのグルメ漫画です。
草野さんの漫画ってどれもどこか切なくて、人ってそういうものなのだと思わせてくれます。
本作はぬか漬けきゅうりやナスの味噌炒めなど庶民的な料理にまつわる短編集です。
本作も、読むとなんかキュンとします。ああ、切ないなあと思います。
私は今、貧乏だし、ひねくれてて、人を羨んだりしているので、なかの人の気持ちがよくわかります。
好きな話はたくさんありますが、ナスの味噌炒めの話は結構好きです。
姉妹の話で、お姉ちゃんがいま家計が苦しい妹一家のところに様子を見にいくんだけど、前に貸した金のことで心がくさくさしていて、つい意地悪をしてしまうという話です。
その気持ちよくわかるし、妹はそのことに気がついているんだか、いないんだかわからないけど、それでも明るく姉に接していていいなと思います。
なんか、それだけあっさりした人を見ると、こっちも拍子抜けというか、やっぱ妹は好きなんだろうし、ああ、やっぱり姉妹だなと思いました。
他にも、きんぴらごぼうとか、生姜焼きとかどれも美味しそうです。
あと、不景気な話が多い気がします。
まあ、食と経済状況って深く関わっているし、それも仕方ないかなと思いました。