ビジャの女王

ビジャの女王のレビュー・評価・感想

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ビジャの女王
7

続きが気になる!

<あらすじ>
1258年.世界の半分を手中に収めたモンゴル帝国は、さらなる勢力拡大を目論み、ペルシャ高原の小都市国家ビジャへ攻め入った。
街を包囲するのはモンゴルが誇る最強騎兵。その数2万。
対するビジャの人口はわずか5千。
父の代わりに城を預かる若き姫オッドは、噂に聞いた伝説の集団「インド墨家」に助けを求めることにした。
果たしてこの謎の集団の正体とは?そしてビジャは持ちこたえることができるのか!?

<非現実的な設定 でもリアリティがある>

正直、モンゴル帝国や中東の歴史に疎い筆者ですが、読み始めたら面白くてページをめくる手が止まらなくなりました。
ビジャの城の大ピンチを脱しようと救いの手を差し伸べたスーパーヒーロー、墨家。
昔歴史の授業で聞いた記憶しかない、墨家。
調べてみると、中国の戦国時代に存在した思想家集団らしい。
思想家集団なのに戦に強いの?戦国時代で消滅したはずの墨家がなぜ中世に存在しているの?なぜインドに?
とその奇想天外な設定に一気に引き込まれました。

絵や戦闘シーンの描き方はかなりリアルで、見慣れてないと若干のとっつきにくさはあります。
戦術や道具の説明などが史実にのっとって解説されているので、「へー」と感心することも多く、その点でも読みごたえがあります。

まだ1巻しか出ていませんが、これからモンゴル軍の本体との戦いも始まるし、味方の宰相ジファルの壮大な野望もあり、これはもう面白くなりそうな予感しかしない!
まずは、墨家がどのような奇術を用いて戦を収めていくのか、次巻が楽しみです。