男はつらいよ あじさいの恋

男はつらいよ あじさいの恋のレビュー・評価・感想

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男はつらいよ あじさいの恋
9

子どもの付き添いって

この回から、満男くんが吉岡秀隆さんになります。吉岡さん満男は、ちょっと生意気でいい感じです。
満男も大きくなったなあって感じですが、この頃はまだ小学生で虎さんに頼まれてデートについて行かされたり、何かと不憫でした。
デートがうまくいかず泣く寅さんを見て、満男も元気がないとか、満男も寅さんに似て、人がいいなと思いました。
寅さんはほんと、気が弱くて、すぐ人を好きになるのに、相手に好意を持たれると逃げ腰だなあと思います。
デートに子どもの付き添いっておかしいでしょう。
今回のマドンナも奥手というか大人しいというか、自分からって感じでもないし、ぜんぜんうまくいっていなかったなと思いました。
でも、その女に弱いところが寅さんの魅力の一つですね。
また、本作には、陶芸の弟子として、柄本明さんが出ていて、いい味出していました。
陶芸の先生を尊敬していて長いこと、弟子として頑張ってますがなかなか目の出ない青年役です。
虎さんに無理なんじゃない?とか軽口を叩かれて、本気にしたりとても面白い人でした。
柄本さんが出ていると、画がしまるというか、すごくいいなと思いました。
寅さんがすごく高価な茶碗を先生からもらったのに、それにとらやの面々が気がつかないというエピソードもおもしろかったです。

男はつらいよ あじさいの恋
10

内気二人のデート

寅さんが珍しく惚れられている作品です。でも、かがりさんも引っ込み思案だし、寅さんも恋には奥手すぎるし、うまくいくはずがありません。デートに満男は連れていくし、かがりさんもびっくりというかがっかりというかしたことでしょう。まあ、かがりさんも良くなかっただろうけどね。かがりさんがもともといたのは京都の人間国宝の陶芸家のところで、その陶芸家、加納先生に寅さんは気に入られます。寅さんは、その人が偉いとか偉くないとかわかる前からなんのあれもなくやさしくしてあげるから、気に入られるのもわかります。すごくわかりやすい人だし、すごくさっぱりしているし、私だって寅さんと飲みたいと思いますもん。その陶芸家のお弟子さんとも仲良くしていていいなと思いました。お弟子さんは柄本さんがやってます。すごくおもしろいです。あのちょっと情けない感じが、12年も弟子をしているけど芽が出ない感じが出て似合っています。あの、題名についているように、かがりさんとは鎌倉のアジサイ寺でデートするのですが、鎌倉の風景もとても素敵です。なんか水中花とか売ってそうな露店街もいいし、行きたいなと思いました。寅さんの恋はいつものごとく、うまくいかなかったけど、加納先生と再会したりして、いい旅だったろうなと思いました。