秘密戦隊ゴレンジャー

秘密戦隊ゴレンジャーのレビュー・評価・感想

秘密戦隊ゴレンジャー
9

集団ヒーローの雛形

今更説明の必要もない、押しも押されもせぬスーパー戦隊シリーズの原点。
当時はまだ「戦隊シリーズ」というシリーズの概念自体が出来ていなかったので、今見直すと荒削りな部分も沢山ありますが、それを差し引いても尚素晴らしい名作です。
色々魅力はありますが、一番はやはり個性豊かな五人のキャラクターでしょう。
冷静沈着ながらも奥底には熱い闘志を持ったリーダー・海城剛、一見クールながらも中身はとても仲間思いのサブリーダー・新命明、カレー好きでお調子者ながら気は優しい力持ちの大岩大太、紅一点にしてゴレンジャー攻撃の要であるペギー松山、そして最年少ながら一番の熱血漢である明日香健二と誰一人個性が被ることなく拮抗しており、一人一人が伝説のスーパースターです。
また、敵側の黒十字軍も個性豊かな怪人、幹部が出てきますが、中でも中盤の山場を盛り上げてくれるのは鉄人仮面テムジン将軍です。
指揮能力も非常に高い上個人としてのスペックも高く真っ向勝負ではアカレンジャー以外敵わず、またバリブルーン共々道連れにしなければ勝てないほどの強者であり、彼の存在がゴレンジャーの強さをより引き立たせてくれました。
後半では脚本・演出共にややギャグ路線に片足突っ込んだような作風となりましたが、それでも中心にある五人のキャラクターのまとまり、そして黒十字軍の攻防の駆け引きは大変面白く、また最終回も予想外の盛り上がりを見せ、大団円の内に幕を閉じます。
全84話と長いので一気に見るのはきついかもしれませんが、やはり戦隊シリーズの原点がどういうものなのかをしっかり理解するためには原点の理解が欠かせません。
是非とも戦隊ファンなら一度は視聴をお勧めします。