コドモドラゴン

コドモドラゴンのレビュー・評価・感想

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コドモドラゴン
10

繊細な音作り、激アツなライヴ…

コドモドラゴンは2010年に結成されたバンドだ。ジャンルはビジュアル系で己龍やRoyzと同じB .P.Recordsに所属している。
音楽性はロックであるが、ミクスチャー、メタル、最近ではブルージーなサウンドも含まれ、多彩な音楽性を感じられる。
特筆すべきは一曲一曲がとても繊細な音で紡がれていることである。音源を聴くと微妙に音域やリズムが変化していたり、細かいサウンドが編み込まれている。
そんな「コドモドラゴン」のメンバーはそれぞれ個性が輝いている4人。リーダーは「チャム」ドラム担当。的確で細やかなリズムも丁寧に奏で、ライヴでは曲の合間も見逃せない。ポーカーフェイスと言われ冷静にツッコミを入れつつもメンバーとワイワイ楽しむギャップが魅力の一つだ。ベーシストは「meN-meN」。整ったビジュアルにお茶目で元気な印象だ。ベースのテクニックが高く、楽曲の中でも聴きどころを創っており、ライヴのベースソロでは卓越したスラップ奏法で魅了させる。ギターは「ゆめ」すらっとした容姿で「ゆめワールド」という独特なセンスを持ち、少し不思議な雰囲気があるがそこが魅力の一つである。ギターを持てばそんな不思議ちゃん要素を吹き飛ばし、力強くもテクニカルなギターで目が離せない。そしてヴォーカルはコンポーザーでもある「ハヤト」。スポーツ少年だったが中学生の時から「音楽で生きていく」と決意し、ギター、ドラム、ベース、キーボードも操ることができる努力家の天才肌だ。ヴォーカルとしても魅力的でファンを煽りつつもデスボイス、高音、メロディーを丁寧に歌う。
コドモドラゴンのもう一つの魅力は「ライヴ」だ。独特な気持ちを沸き立たせるSE、鳴り響く爆音。ファンはヘッドバンギングや振り付けを楽しむ。というよりも、棒立ちでいることが困難で体が勝手に動いてしまうのだ。約2時間、一切を抜かずバンドもファンも汗をかく、そんなアツいライヴはバンドの大きな武器である。
ビジュアル系という枠に囚われるのは勿体無い、色々な音楽ジャンルのファンに是非聴いて、コドモドラゴンの世界を体感して欲しい。
ちなみに、YouTune「こどちゃねる」ではそんなかっこいい姿とはまた違う仮初の姿で活躍しているのでそちらもお薦めである。

コドモドラゴン
10

一度は聴かないと損をする? コドモドラゴンの多様な音楽

コドモドラゴンというヴィジュアル系バンドをご存知だろうか。
vocal ハヤト、guitar ゆめ、bass meN-meN drum チャムからなる4人組バンドである。このバンドは誤解を恐れずに言うととにかく音楽に対して柔軟である。
独自の世界観は崩さずに、正統派なロックナンバーからミクスチャー系まで幅広くリリースしている。
バンドのメインコンポーザーであるハヤトの言葉を借りるなら、痒いところに手が届く楽曲が売りとのことだが正にその通り。
激しい曲調で世界を皮肉る曲もあれば、優しく全てを肯定してくれるような曲まで気分によってぴったりの曲が必ず見つかる。同じバンドの、ましてや同じコンポーザーが制作したとは思えない振り幅だ。
バンドメンバーの演奏力も目を見張るものがあり、中でもguitarのゆめは楽曲をリリースする毎に演奏技術が向上していることが素人目でも分かる。
ハヤトの時には激しく、時には優しい歌声に、ゆめの多様なギタープレイ、meN-meNの地鳴りを連想させる重低音ベース、チャムの軽やかでテクニカルなドラムは一度は聴かないと損である。是非とも一度彼らの楽曲に耳を傾けてもらいたい。
絶対に琴線に触れる楽曲と出会えると断言しよう。