杉原千畝 スギハラチウネ

杉原千畝 スギハラチウネ

『杉原千畝 スギハラチウネ』とは、2015年12月5日に公開された日本映画である。チェリン・グラックが監督を務め、主演の唐沢寿明が杉原千畝を、小雪が妻の幸子をそれぞれ演じた。第二次世界大戦中、ナチス・ドイツの迫害から逃れるユダヤ難民のために外務省の意向に反して日本通過ビザ(命のビザ)を発行し、6,000人余りの命を救った外交官・杉原千畝の半生を描いている。
本作は、ビザ発行の決断に至る人道的なドラマにとどまらず、優れた語学力と人脈を駆使して各国で情報収集を行い、日本へ送り続けた「インテリジェンス・オフィサー(諜報外交官)」としての側面に光を当てている点が特徴である。満洲国での北満鉄道譲渡交渉における情報戦から、リトアニアのカウナス領事館での独ソ不侵略条約の裏分析、そして命のビザ発行に至るまで、国際情勢の荒波の中で信念を貫いた姿が緊迫感をもって描かれる。主要ロケーション撮影は作品のリアリティを追求するため、全編にわたりポーランドで約2ヶ月間に及ぶ大規模なロケが敢行された。
多くの命を救いながらも歴史の表舞台から姿を消した男の葛藤と功績、そして戦後に救われたユダヤ人との再会を描いた重厚な歴史人間ドラマである。

杉原千畝 スギハラチウネのレビュー・評価・感想

杉原千畝 スギハラチウネ
3

抑揚が無くちょっと退屈

第二次世界大戦期にユダヤ人にビザ発給して命を救った外交官杉原千畝を主役にした映画です。
ドキュメンタリーというほど史実に忠実ではなく、かといって物語と割り切ってドラマチックな演出をしているわけでもなくちょっと中途半端な印象は否めません。
ただ、東洋のシンドラーと言われて日本国内よりも世界から評価の高い人物の活躍を映像化したという点では淡々と観られていいと思います。
全体的にテーマがはっきりせずどこがクライマックスの感動ポイントなのかちょっとわかりにくく、エピソードが淡々と羅列されていき、主演の唐沢寿明も無表情で気持ちを内面に秘めた演技をしているので、杉原の心情は観る側でぼんやり補完しながら観るほかありません。
人道的な行いをした杉原は、当時の世界情勢でスパイ活動をしていたことがはっきり描かれていてそれはスリルがあって面白いのですが、その杉原が本国の命令に反してでも人道的な行動を取った流れが描き切れていない気がします。小雪演じる奥さんから言われたから、というだけに感じて物語仕立てにした割には弱いなと感じます。
奥さんと出会う以前に親しかった白系ロシア人女性スパイとの因縁の描き方もちょっとぼんやりしています。
戦争が終わって杉原が行動を振り返るシーンでも、結局杉原がロシア人元彼女?と現在の日本人妻どっちに心を寄せているのかもよくわからず、やっぱりモヤっとしてしまいます。
ただ、杉原の生涯の大筋を映像化した点は非常に評価できます。