カリクラ2

カリクラ2のレビュー・評価・感想

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カリクラ2
8

心のありかたについて考えさせられます。

この漫画は、華倫変(かりんぺん)という漫画家の単行本です。登場する人々は、かなり際どい人々!桶の中を商売場所とする遊女、輪姦された女教師とその生徒、自分の性別に納得がいかず、局部を切り落とそうとしたかわいい顔の男の子、かなり様子のおかしいアイドルくずれの女の子、、、そんな暮らしをしていて大丈夫なの??と思ってしまうような、ちょっとヤバめの、かなり濃い生活を送っています。絵もわりと適当なほうで、それがヤバさを助長させています。正直、好き嫌いが分かれる作品だと思います。けれど、人物のセリフや言動に、華倫変の「どんなにつらい状況でも、心が安定していれば、人は間抜けに暮らしていける」というスタンスがにじみ出ています。作品に登場する人物はみな何かしら問題を抱えている。しかし、悲観してそのまま終わるのではなく、悲しみや苦しみを受け入れ、なおも進み続けるという選択をします。作品を読み終えた後には、後味の悪さも少しはあるかもしれないけれど、爽やかさというか、すっきり感というか、心の奥にある大切なものに気づけたような気分になります。自己嫌悪に陥って苦しんでいる人、ハッピーエンドに飽きてきてしまった人にオススメです!