聖の青春

聖の青春

『聖の青春』(さとしのせいしゅん)とは、将棋棋士・村山聖の生涯を描いた大崎善生による2000年のノンフィクション小説、およびそれを原作とする映像化・舞台化作品である。幼少期よりネフローゼ症候群という難病と闘いながら、名人に登り詰めるべく純粋に将棋へ情熱を注ぎ、29歳の若さで早世した村山聖の生き様を丹念に追っている。
著者の大崎善生にとって本作がデビュー作であり、第13回新潮学芸賞や第12回将棋ペンクラブ大賞、2012年には第2回広島本大賞を受賞するなど非常に高い評価を受けた。当時、日本将棋連盟の出版部に勤務していた大崎が、急逝したノンフィクションライターの遺志を継ぐ形で執筆を引き受けた経緯を持つ。
本作は多角的なメディアミックスが展開されており、2001年には中国放送(RCC)、TBS、テレビマンユニオンの共同制作により、新春スペシャルドラマとしてテレビドラマ化された。また、2016年には森義隆監督、松山ケンイチ主演で実写映画化された。映画では村山聖役の松山が徹底した役作りで大幅な体重増量を行ったことや、ライバルである羽生善治役を務めた東出昌大が羽生の所作や佇まいを精緻に再現したことが大きな話題となった。映画版は第29回東京国際映画祭のクロージング作品に選ばれたほか、第40回日本アカデミー賞優秀主演男優賞や第59回ブルーリボン賞主演男優賞をはじめとする数々の映画賞を受賞している。

聖の青春のレビュー・評価・感想

聖の青春
7

自分を持っている人

私は将棋のことはそんなに詳しくはないのですが、羽生さんとか渡辺さんとか好きな棋士がいて、村山さんのことも映画の前から知っていました。でも詳しいことはしりませんでしたし、映画を見て、そんな昔から病を抱えていたのかとびっくりしました。子どもの時に、いろいろ制限があるのはとても大変だったと思います。そして、彼のお母さんが医師に怒られているところはすごくつらかったです。そんなの気が付きにくいですよね。医師としても、もう少し早く来てくれたらといういらだちから出た言葉でしょうが、すごく嫌な言葉だなと思いました。
その後、棋士になって、制限についても自分で破ったりしていた村山氏。自分というものを大事にしていて、変わり者と思われたりしていただろうけど、周りでも彼はああだからと認めていて、本当は彼のことを好きだったのだろうなと思います。村山さんは、同時期に羽生さんという絶対的な存在がいて、それは幸せだったのか不幸せだったのかといろいろ考えました。勝てはしなくても、死に物狂いで将棋の研究ができてすごく幸せだったのかなと感じました、松山ケンイチさんは体型の変えて、村山さんを演じており、すごかったです。さすが、カメレオン俳優だと思います。

聖の青春
9

1994年、プロ棋士・村山聖(さとし)六段は、将棋界最高峰のタイトル「名人」を目指し、15歳の頃から10年間弟子入りし同居していた森師匠の元を離れ、上京しようとしていた。聖の上京を広島の両親は強く反対する。それは、聖が幼少期より「ネフローゼ」という腎臓の難病を 患っていたからである。彼は、常に死と隣り合わせで生きていたのだった。なぜ彼は、そこまでにも将棋という物への執着に命をかけたのか?これは、村山聖という一人の人生の物語ともいえる作品でもあります。

将棋を通じ、人生の楽しさや魂の輝きを表現してくれた作品でもあり、一人の人生物語でもありました。
実際の天才棋士で、難病を抱えながらも将棋へ魅了された、村山聖の熱く生きた証を、松山ケンイチが見事なまでに演じ切ってましたね。

将棋への圧倒的な熱さ、情熱の注ぎ方に観るものへ、生きることの大切さを教えて頂けるような作品でもありました。

将棋をしている以外は、少しチャーミングな部分と、将棋以外への関心のなさや
人間性にも、素晴らしい人格者だと思わせるシーンの数々には、笑わせてもらいました。

いざ、将棋モードになると表情が一変して、近寄りがたいオーラを出す...

何とも、人を惹き付ける魅力的な人ですね。

難病があるのを忘れさせられるくらいに...

天才、羽生善治との対局...
張りつめた空気感のなかなも、両者の燃えたぎる熱量が感じ取れました。

終盤の羽生善治と、食堂での対談...
頂点を極めた同士でしか解り合えない会話の数々には、心揺さぶられました

将棋という物を通じ、人間の暖かさ
人生の楽しさを教えて頂いた作品でした。

村山聖という一人の人生の壮大で、「生きること」に
これ程までの情熱と信念を貫き通し、短くて密度の濃い
人生を歩む彼の、生き様に共感して頂ければと感じて
います。

彼が、残した足跡とは一体なんだったのだろう?
答えは、分からないが一つだけ確かな事は言えるだろう
それは、日々生きることに感謝できる事の喜び。
そんな事を、将棋という世界を通じ感じた作品でもありました。