みどりの守り神

みどりの守り神

『みどりの守り神』(みどりのまもりがみ)とは、藤子・F・不二雄によるSF短編漫画。1976年に『マンガ少年』9月号で発表され、発表時は「藤子不二雄」名義で掲載された。人類の滅亡と植物による地球の再生を題材とした作品で、環境問題や人間と自然の共生について描きながら、絶望的な状況の中にも未来への希望を見出す物語となっている。後に『藤子・F・不二雄 SF短編PERFECT版』などのSF短編集にも収録された。核戦争や細菌兵器による人類滅亡を思わせるディストピア的な設定を描きながら、絶滅の先にある再生と未来への希望を描いたSF作品でもある。藤子・F・不二雄がたびたび作品に取り入れた環境問題や、人間と自然の共生というテーマが色濃く反映されており、短編ながら重厚な読後感を残す作品として知られている。1990年代にはOVA「藤子・F・不二雄のSF短編シアター」の一作としてアニメ化され、2025年には「藤子・F・不二雄 SF短編ドラマ」の一作として実写ドラマ化された。
物語は、沖縄への家族旅行に向かう飛行機が高山に墜落し、生き残った少女・深見みどりと学生の坂口五郎が、密林と化した世界をさまようところから始まる。二人がたどり着いたのは、巨大なビルさえ植物に覆われた東京。そこで発見した新聞から、世界中に蔓延した強力な細菌兵器によって、人間を含む生物がほぼ滅亡したことを知る。さらに、事故からすでに100年以上が経過していたという驚愕の事実が明らかになり、みどりたちは文明が失われた世界で生き残ることを余儀なくされる。
絶望の中で自殺を図ったみどりは、元テレビディレクターの白河貴志に救われる。白河から、この世界では植物が突然変異によって進化し、生き残った人間を守るような性質を身につけたのではないかと知らされる。旅の途中で食料を与えられたり、傷を癒やされたり、危険から守られたりしていたのも、すべて植物によるものだった。人類にとって脅威となった環境が、やがて生き残った人々を守る存在へと変化していたことが、本作の大きなテーマとなっている。

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