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日常系短編集と思いきや…!
最初読みはじめたときは一話完結型の日常系ほのぼのマンガかなと思うのですが、各話の断片や何気ないひとこまに描いている伏線が少しずつ繋がり大きな渦になっていき…途中から読む手が止まりませんでした。
ほのぼの感やクスッと笑えるギャグテイストもありつつ、リアリティー溢れるえぐ味のようなものも感じられているので一巻なのに長編を読んだような読後感があります。
マンガがすごい!でオトコ編第一位をとった「天国大魔境」や「それでも町は廻っている」などの作品を描いている石黒正数先生の作品です。
単巻モノなのでさくっと読みやすく、この作者の面白さが詰まっているので、まだ読んだことがないという方にはおすすめです!
ドラえもんやAKIRAの影響を受けたと公言している作者さんですし、実際作品にもテイストが多分に盛り込まれているので、これらの作品が好きな方にもおすすめできる作品です!
ストーリーとしては、最初の小粋で陽気な雰囲気とは打ってかわってラストはかなりシリアスでバッドエンドに近いと思いましたが、最終ページのイラストをみて少し救われたような気持ちになりました。あのページが無かったら読んだ後結構落ち込んだかもしれません(笑)