男はつらいよ 寅次郎忘れな草

男はつらいよ 寅次郎忘れな草

『男はつらいよ 寅次郎忘れな草』(おとこはつらいよ とらじろうわすれなぐさ)とは、1973年8月4日に公開された日本映画である。男はつらいよシリーズの第11作目にあたる。シリーズのマドンナである旅回りのキャバレー歌手・松岡リリー役として浅丘ルリ子が初めて登場し、のちに「リリー三部作」と呼ばれる深い関係の第一歩を刻んだ記念碑的作品である。山田洋次監督が第28回毎日映画コンクール監督賞や脚本賞を受賞したほか、キネマ旬報ベスト・テンの第9位にランクインするなど、芸術的にも高い評価を獲得している。
物語は、北海道の網走で露天商をしていた車寅次郎が、ドサ回りの三流歌手である松岡リリーと出会うところから動き出す。お互いのあぶくのような生活について語り合い、同じような境遇に共感し合った二人は、どこかの街での再会を誓い合って別れる。その後、寅次郎は一念発起して北海道の酪農家で働き始めるが、激しい重労働に耐え切れず寝込んでしまい、さくらに迎えられて柴又へと戻ることになる。
しばらくして、寅次郎を慕うリリーが柴又のとらやを訪ねてくる。とらやの人々は温かく彼女をもてなし、家庭の温もりを知ったリリーは寅次郎への特別な想いを募らせる。しかしある夜、仕事の悩みや母親との確執を抱えたリリーが酒に酔ってとらやを訪れ、一緒に旅に出ようと迫る。堅気の世界と自分の境遇の間に引け目を感じていた寅次郎が「ここは堅気のうちなんだぜ」とたしなめたことで、リリーは孤独感を爆発させ、「嫌いだよ」と泣きながら飛び出してしまう。慌てて後を追ったものの、リリーはすでに引っ越したあとだった。
夏になり、歌手を辞めて小さな飲食店の女将となったリリーから、とらやへ手紙とハガキが届く。さくらが店を訪ねると、リリーは寿司職人の夫と仲良く店を切り盛りしていた。その一方で、リリーは夫よりも「寅さんのほうが好きだった」と本心を吐露する。いつものように失恋に終わるのではなく、お互いの心に強い絆と切なさを残したまま、寅次郎は再び北の大地へと向かい、かつてお世話になった酪農家と元気な笑顔で再会を果たすのだった。

男はつらいよ 寅次郎忘れな草のレビュー・評価・感想

男はつらいよ 寅次郎忘れな草
9

寅さんの女版

リリーさんが初めて登場する回です。
どさ回りで全国を旅していて、寅さんの女版みたいな人で、すごく素敵な人でした。
寅さんは、とらやに帰った時、よくいろんな話を身内のみんなにしてくれて、そこが寅さん映画の魅力だったりしますが、今回はリリーさんが結構いいことを言っていました。
惚れて惚れて惚れ抜いた、そんな恋がしたいなんて、とてもいい台詞です。
リリーさんは綺麗だし、いろんな人と付き合ってきただろうけど、それではだめで、自分が誰かに惚れてみたいというのはなかなか真理だなと思いました。
その点、寅さんは毎回、ほんとに女の人に惚れているから、幸せといえば幸せだなと思いました。
寅さんとリリーさんは、リリーさんが酔っ払ってとらやに来て喧嘩別れしてしまいます。
リリーさんも、そんなに酔うほど嫌なことがあって、いろいろ大変なんだなと思いました。
寅さんは今は夜中だからとか言って、リリーさんを制してましたが、言っていることは優しくて、俺が話聞いてやるからなとか言ってたのに、リリーさんはそれを冷静に聞けないほど、追い詰められていたのかなと思いました。
リリーさんが、別の人と結婚してしまい、残念だなと思いました。
でも、リリーさんが幸せならそれでもいいかもとも思った回でした。
リリーの夫役として毒蝮三太夫が出ていて、それもおもしろいキャスティングだなと思いました。

男はつらいよ 寅次郎忘れな草
10

リリーさん初登場

リリーさん、初登場の回です。リリーさんは寅さんにただ1人口答えできるヒロインで、女版寅さんという感じで素敵な人です。浅丘ルリ子といえばリリーさんという当たり役だったのではないでしょうか。本物の浅丘さんも男らしいところのある人だと三谷幸喜さんがラジオで言ってました。あとこの話は、ピアノ騒動の回でもあります。寅さんがさくらちゃんにおもちゃのピアノを買ってあげるというあれです。おもちゃでもらったら嬉しいし寅さんの妹思い溢れる行動なのに、社長さんひどいという感じです。こういういつもの喧嘩の場面も寅さん映画を見る上で楽しみな場面です。寅さんがしつこいときもあるし、寅さんが可哀想だなってときもあります。これは後者かなと思います。リリーさんとの仲は結局最後喧嘩してうまくいきませんでしたが、2人の仲の良さが良くわかる作品でもあります。最後リリーさんは寿司屋のおかみさんになってて、なかなかきっぷがいいし、よく似合ってたなと思ったのでその後別れてしまったとわかったときは結構ショックでした。その後、リリーさんは何度も寅さんシリーズに出てきます。やはりどこか、寅さんにはリリーさんがいなきゃという思いがファンにも製作陣にもあったのだと思います。