エキサイティングでストイックなダンスクイーン
イタリア語で聖母を意味する「マドンナ」という名前。
しかしマドンナの音楽は、それに反発するかのように挑発的であり続けます。
ダンスにおいて素晴らしい技術を持ち、プロのダンサーを志して単身ニューヨークへと乗り込みましたが、シンガーとして聴衆を躍らせることができる才能に気づきます。
そんなマドンナの音楽はエキサイティングなダンスポップとしてヒット。
1983年に『Madonna』でデビューした当時は決して歌唱力が高いわけではありませんでしたが、純粋に光るものがあり、人々の心を掴みました。
そしてキャリアとともに、その時代ごとのダンスミュージックシーンの流行を取り入れ、歌唱力にも磨きをかけていきます。
体を鍛えることに対してもストイックで、ダンスで魅せることも怠りません。
キャリアの転機となったのは、1998年のアルバム『Ray of Light』。
ミュージカル映画『エビータ』で修練をつんだボーカルワークにしても、ウィリアム・オービットとともに作り上げたサウンドにしても、圧倒的に洗練されています。
結果、高い評価を受け、それ以前のマドンナ、ひいてはポップミュージック界までをも覆した傑作となりました。
こうして新機軸を打ち出したマドンナは、自らが作り出したスタンダードに乗っ取り、進化を続けていきます。
そして、誰よりもこだわり、誰よりもストイックなマドンナは、ダンスポップのクイーンとして君臨し続けるのです。