ジュエル / ジュエル・キルヒャー / Jewel Kilcher

ジュエル / ジュエル・キルヒャー / Jewel Kilcherのレビュー・評価・感想

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ジュエル / ジュエル・キルヒャー / Jewel Kilcher
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透明感のある大自然を思わせるシンガーソングライター

自然を感じさせるような透明感に癒される、アラスカ出身の女性シンガーソングライターです。

デビュー前は車を住みかとし、ストリートやカフェでライブをしていたという、非常に苦労した人です。
そんな貧しく孤独な生活から生み出されたジュエルの音楽には、人々の心を救う力があり、1994年のデビュー作『Pieces of You』は広く受け入れられました。

歌唱法においても、模索を続けた上で自分の歌い方を見つけており、努力を惜しみません。
その歌声はときに可愛らしく、ときに深みを帯びて響きます。

ジュエルが生まれ育ったアラスカの大自然を思わせるような、カントリーを基調とした澄んだサウンドも特徴のひとつです。
特に1995年の『Spirit』にはその特徴がよく表れていて、広々とした大地で歌っているかのような印象を受けました。

それから、2001年の『This Way』ではロックサウンドを取り入れ、2003年の『0304』ではエレクトリックな音にも挑戦するなど、非常にシンプルだったファーストアルバムから、音楽性の幅を広げていきます。

しかし、2005年の『Goodbye Alice In Wonderland』からは実験的な精神は影を潜め、オーソドックスなバンドサウンドがメインとなり、解放されて伸び伸びとした印象に。

そして2015年『Picking Up The Pieces』で原点回帰をするようにシンプルなサウンドに落ち着きます。
まるで断捨離をしたかのような清々しさがあり、様々な経験を通過してきた力強さが歌声にみなぎっています。

このように、様々なトーンのアルバムをリリースしているジュエルですが、その根底にある透明感はいつでも失われず、輝きを放っています。
子供向けにリリースされたアルバムですが、『Lullaby』も聴いていて落ち着くので、大人にも子供にもオススメです。