リサ・ローブ / Lisa Loeb

リサ・ローブ / Lisa Loebのレビュー・評価・感想

リサ・ローブ / Lisa Loeb
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心に正直に表現するアットホームな音楽

リサ・ローブと言えば、アコースティックギターと黒縁メガネが思い浮かびます。

日本にもファンが多いアメリカの女性シンガーソングライターで、1994年に「ステイ」が大ヒット。
時代を超えて愛される名曲です。
この曲は映画『リアリティ・バイツ』のサウンドトラック盤に収録されたことにより世に出ており、そのときのリサ・ローブはどのレコード会社とも契約を結んでいない状態でした。
地道にひとりで曲を書き、アコースティックライブで披露していた彼女は、『リアリティ・バイツ』の出演者、イーサン・ホークと友人だったことから、レコーディングに至っています。

メジャーデビューを目論んでいたわけではないのに、ひょんなことから全米でヒットしてしまったというこの逸話は、まるでリサ・ローブの音楽性を表しているかのよう。
レコード会社などの指示通りに作らされるのではなく、心の中の想いを、自分自身で、自分のやり方で発信しているからこそ、特別な魅力があるように思うのです。

それは1996年のアルバム『Firecracker』の収録曲、「Wishing Heart」でも表現されており、指導者は必要なく、自分の心に従いたいということが歌われています。
このようなリサ・ローブの自立心は子供のような反抗心とは違い、自分に正直でいること、日々の暮らしの中で自分の気持ちを大切にすることを教えてくれているように思います。