魔太郎がくる

魔太郎がくる

『魔太郎がくる!!』(またろうがくる)とは、秋田書店の『週刊少年チャンピオン』にて1972年30号から1975年48号まで連載された、藤子不二雄の安孫子素雄(のちの藤子不二雄Ⓐ)によるホラー漫画作品である。
主人公は、見た目も性格もパッとしない典型的な「いじめられっ子」である中学生の浦見魔太郎(うらみ またろう)。作中では、同級生や周囲の人間から受ける理不尽ないじめや悪行に対し、オカルトの知識や超能力である「うらみ念法」、さまざまなアイテムを駆使して壮絶な復讐を行っていく姿が描かれる。作者である藤子不二雄Ⓐ自身がいじめられっ子だった経験を元に、「いじめられっ子が実は非常に強く、やられた相手に大逆襲する作品なら面白い」という発想から出発しており、全国のいじめられている人々の鬱憤を晴らすカタルシスに満ちた作品として描かれている。
基本的に一話完結の構成をとっており、初期は学校内のいじめっ子に対する復讐が中心だったが、次第に学園外の不良や偽善的な優等生、奇人変人などへとターゲットが広がり、物語の舞台も拡大していった。さらに、魔太郎の自宅近くに引っ越してきた謎の赤ん坊「阿部切人」とその両親の登場をきっかけに物語は大きな転換点を迎える。魔太郎自身の出生の真実が明かされるとともに、人類存亡を賭けた善と悪の戦いが描かれるようになり、単なる恨み晴らしの物語からダーク・ファンタジーや怪奇サスペンスへと作風が変化していった。
発表当初の初期エピソードでは、魔太郎の復讐手段が現実的かつ非常に過激であり、悪人に対して徹底的な報復を加える凄惨な描写が特徴だった。しかし、その後の社会情勢や少年事件の深刻化などを考慮し、後年刊行された作品全集『藤子不二雄ランド』などでは、大幅な描き直しや欠番扱いとなるエピソードが生じることになった。

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