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不器用な二人が恋を見つけるまで
恋愛をすると、上手くいかなかったり、片思いのうちは、苦しい思いをするもの。この漫画では、その恋の苦しみを病気だと認識し、治療法を研究する医大生と、彼に告白をしてしまったために、被験体として、研究のパートナーにされてしまった女子大生のストーリーです。
理系男子の城ヶ崎にとって、恋の苦しみは研究して治療できるものと信じるものであり、失恋続きの女子大生・幸にとっては、次から次へと新しい恋をして忘れられると信じるものでした。誰でも恋を経験したことのある人ならば、痛みを抱えたこともあるはず。その苦しみが上手く描かれています。そして、城ヶ崎、幸の二人ともが、相手を想うことに幸せを感じる恋愛を知らずに過ごしてきました。
理論的に、現実的に対処したい男性に対して、感情的に満たされたい女性の心理。そういった普遍的なものが、この漫画では大袈裟にデフォルメされて描かれているのだと思います。しかし、恋する相手と想い想われ、一緒にいたいと思うことは男女共通のこと。それを叶えることができずにいたこの漫画の二人は、研究のパートナーという一風変わった関係にドタバタしながら、お互いに成長していきます。恋に対して不器用な二人には共感できるところがたくさんあり、いろいろなエピソードを交えて、恋とは何かということを見つけていくストーリーは、今の時代の男女の感覚に合っているように思います。