ホームレス ニューヨークと寝た男

ホームレス ニューヨークと寝た男のレビュー・評価・感想

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ホームレス ニューヨークと寝た男
8

ホームレスのイメージを覆すイカした生き方

この作品は、ニューヨークでホームレス生活を送るファンションフォトグラファーの「マーク・レイ」52歳を追ったドキュメンタリー映画だ。
誰が見てもホームレスには見えないダンディでスタイリッシュな見た目をしており、こんなオジサンになりたいと思わせるほどのかっこよさをしている。
しかし、彼の帰る先はとあるアパートの屋上、彼はそこに6年もの間住み着いており、そこで寝袋に包まれ睡眠をとっている。
そして、朝になれば、スーツに身を包み街に繰り出し被写体を探しに行く。
そんな毎日を送り、好きなことができればお金なんていらないのではないかと思わせる主人公だが時折見せるネガティブな部分を見ると、彼は本当はこんな生活を送りたいのではなく、何となくで生きてきてしまった結果なのだと知ることができる。
しかし、この映画の主人公「マーク・レイ」からは家がなことへの悲壮感が全くといっていいほど伝わってこなかった。
この作品は、都会でのサバイバル生活を描いており、都会での生活の厳しさや、難しさを感じることができる。
夢を持つことは大事だが、芽が出ないのにいつまでも続けていけばこんな風になってしまうかもしれないという、現実を突きつける作品となっている。
しかし、家がなくても、仕事さえあれば生きていけるという都会での新しい生き方を提示している作品のようにも思えた。