ガーンジー島の読書会の秘密

ガーンジー島の読書会の秘密のレビュー・評価・感想

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ガーンジー島の読書会の秘密
8

美しすぎるガーンジー島とリリー

『ガーンジー島の読書会の秘密』という映画を、ぜひご覧になってください。
秘密とはいっても、謎解きミステリーではありません。
原題のままでは長すぎたんでしょうか、秘密とあるのは邦題だけです。
自然しかない美しい島です。
夜は真っ暗になってしまいます。
現在も、風光明媚な景観を楽しむ観光業が盛んな島です。
物語は、第二次世界大戦中、ドイツ占領下におかれた時代を舞台に、捕虜同然の扱いを受けながらも、喜びや楽しみ、笑い、愛情などの人間らしい感情を失わないために、救いになった読書会の存在を描いたものです。
お互い同じ本や作者を好きだったりすると、途端に親しくなれたりしますよね、本に限らずですが。
そうして強く結びついていった当時のメンバーと、読書会に興味を持ったリリー・ジェームズ扮するロンドン在住の作家が、ひとつの秘密を共有しながら、心を開いていくお話です。
リリーは戦争で両親を亡くした喪失感と、自分だけが幸せになることへの罪悪感のようなものを抱えています。
作家として成功が見えていて、知り合ったばかりのリッチなアメリカ人からプロポーズもされますが、心はすっきり晴れません。
そんな時読書会と出会い、メンバーと深く関わるうちに、自分がきちんと見えてきます。
何をしたいのか、誰と居たいのか。
心穏やかなハッピーエンドでした。