猫が教えてくれたこと

猫が教えてくれたこと

『猫が教えてくれたこと』(原題:Kedi)とは、2016年製作のトルコのドキュメンタリー映画である。原題の「Kedi」はトルコ語でネコを意味する。ヨーロッパとアジアの文化をつなぐ地として数千年にわたって繁栄してきたトルコの古都イスタンブールを舞台に、街に暮らす7匹の野良猫たちと人間たちの幸せな関係をとらえた作品である。
イスタンブールの野良猫は住人たちから食料や寝床を与えられ、人々に生きる希望や癒やしを与えながら自由気ままに暮らしている。地上から10センチメートルしか離れていないカメラを使用し、猫の目線で街の風景をとらえながら、生まれも育ちも異なる猫たちと人間たちが織り成す優しい触れ合いを描き出している。
アメリカでは1館の公開からスタートして130館まで上映規模が拡大し、外国語ドキュメンタリーとしては異例のヒットを記録したほか、米誌タイムによる2017年のトップ10の一つにも選出された。日本国内では2017年11月18日に劇場公開された。また、2020年2月22日にBSテレビ東京で放送された際には、劇場公開やソフト発売時には制作されなかった日本語吹替版が新たに制作され、俳優の田中要次がナレーションに起用された。

猫が教えてくれたことのレビュー・評価・感想

猫が教えてくれたこと
9

猫と人が織りなす温かな日々

猫が多く暮らし、そして猫好きも多い街イスタンブール。そこに暮らす7匹の猫たちと、彼らにかかわる人々を、猫目線で描いた猫愛溢れるドキュメンタリー映画です。
ドキュメンタリーなので、淡々と進んでいきますが、内容はなんだかとても深いです。
重いって意味ではなく、映画自体はとても気軽に見れるものでしたが、作中で人々が猫について語る言葉がとにかく深かいのです。
「怒鳴ることもあるけど、それは俺が疲れていたからだろう」
「人間は欲深くいろんなものを欲しがるけど、猫は自分自身に満足してる」
「エサをあげたんだからヒザに乗れ、なんて見返りを求めてもムダ」
のような言葉が随所で出てきます。
猫を理解し、猫を愛する人でないと、こんなことは言えないです。
また、印象的だったのは、人と猫との良き隣人的距離感。猫はいわば地域猫。道端に水やエサが置いてあって、街のみんなで可愛がっている感じです。
猫のあるがままを人々は受け入れていて、猫もつかず離れずの距離で人の傍にいる。
しかしながら、それもイスタンブールという歴史ある古い町並みの成せる業なのかもしれません。
作中で、都市開発が進んで猫の住む場所が消えているという話がありましたが、隣人が住みにくくなってしまった町は、はたして人にとっても住みやすいのかどうか…。
「猫は人に幸せを与え、僕らを幸せにしてくれる」と最後にあった言葉ですが、作中の人たちの、猫について語るときの顔が、これがまたいい笑顔!
猫が幸せなら、人間も幸せ、というのは万国共通なんでしょうね。