真白の恋

真白の恋

『真白の恋』(ましろのこい)とは、2017年に公開された映画作品である。富山県出身の新人監督である坂本欣弘が、2014年春より制作を開始。日本のヴェニスと呼ばれる富山県射水市の新湊内川を中心にオール富山県ロケで撮影が行われ、2017年2月11日に撮影地である富山県で先行公開後、同年2月25日にはアップリンク渋谷より順次全国公開された。キャッチコピーは「恋をした真白は、"普通"の女の子でした。」。2016年12月には文部科学省選定作品に選出されたほか、2022年には映画を原作とした朗読劇『真白の恋』〜世界で最も美しい湾〜が東京と富山で上演された。
主人公の渋谷真白は、生まれてからこれまで家族と共に富山県射水市の新湊内川地区で暮らしている。見た目にはそれとわからないがごく軽度の知的障がいがあり、日常生活に支障はなく現在は父の営む自転車店の店番をしたり飼い犬の世話をしたりと元気に暮らしている。ある日、兄の結婚式で神社を訪れた真白は、東京からやって来たフリーカメラマンの油井景一と出会い、彼に恋心を抱くようになる。
映画祭への出品や受賞も多数果たしており、第二回新人監督映画祭コンペティション長編部門やTAMA CINEMA FORUMある視点部門への出品をはじめ、なら国際映画祭2016インターナショナルコンペティション部門および福井映画祭11th長編部門での観客賞グランプリ受賞、あきた十文字映画祭での上映などを記録した。さらに、第32回高崎映画祭では岩井堂聖子が最優秀助演女優賞、佐藤みゆきが最優秀新進女優賞、坂本欣弘が新進監督グランプリを受賞している。

真白の恋のレビュー・評価・感想

真白の恋
10

胸が締め付けられる「初恋」

残雪が道に残る冬の富山県射水市(いみずし)の港町を舞台に、軽度の知的障害を抱える女の子・真白の初恋と、彼女を支える家族の葛藤を描いた人間ドラマです。
真白の初恋相手の東京から来たカメラマンは「いかにも」都会の空気をまとい、真白の従姉は郊外の美容師にありがちなヤンキー感を醸し出し、古い街並みにひょっこりあるお洒落な古民家カフェや、真白の家の家具の配置が実家を彷彿とさせたりと、登場人物や田舎あるあるな背景のリアルな描写はすんなり物語の中に入り込みやすくしてくれます。
ストーリーは「田舎から一度も出たことのない少し変わった女の子が、今まで出会ったことのない男性を好きになって一つ大人になる。」というわかりやすい流れで、前半は初めての初恋にドキドキしている真白がひたすらほほえましく、後半は初恋が叶わない切なさに涙腺崩壊。
知的障害を抱える真白の「どうしたら私は普通になれるの?」とお母さんに聞くところ、他の人とは違うという事が初恋を通して受け入れがたくなる真白の涙はギューっと胸がしめつけられます。
真白が生きてきた中で、一番「普通」に接してくれる従姉の存在には救われますが、真白を守りたいという父母や兄の気持ちも痛いほど伝わります。
「普通」って一体何ぞやと、考えてしまう作品です。