一日三食絶対食べたい

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一日三食絶対食べたい
8

世界の終末からのぞく幸せ

絵は素朴ながら綺麗で好感が持てます。ストーリーの時代は現代的な要素がありながらも技術でいうと遠い未来。世界が氷河に覆われ、決まったコミュニティでしか生活できない。1日の生活がままならないかもしれないのに主人公は絶対少食1日三食食べることが長所であり、そのためには苦手な労働作業も頑張ろうとする。同居する女の子のためにもニート気質な主人公が労働したり行動したりするところがほっこりします。外は北極並みな気候なのに、ダウンコートと手袋だけで作業していいのかな?と思うところもありますが、悲壮過ぎずに安心して読めるところも魅力のひとつです。三食の他にビールを飲むために仕事仲間と苦労したり、外に露天風呂作ったりして、未来設定ながら現代の仕事の楽しみみたいなものに共感するところも好きです。同居している女の子は年の差がありそうだけど、恋人設定なのかと思っていたら、お互いがこの世界を乗り越えていくための必要なパートナーというか純粋な気持ちで必要としてるっていうところがハッピーエンドを願わずにはいられません。主人公の周りに登場する人々の孤独も描かれるので出てくるキャラクター全てに愛おしさを感じられる作品です。