The Messenger

The Messengerのレビュー・評価・感想

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The Messenger
10

The Messenger〜レトロゲームを意識しながらも独自の世界観とユーモアを盛り込んだ傑作2Dアクションゲーム〜

2018年8月Nintendo Switch / Steamでリリースされた本作「The Messenger」は、1988年のアーケードゲーム「忍者龍剣伝」をオマージュしており、ファミコンやスーパーファミコンで遊んだ人には懐かしい気持ちにさせてくれます。BEST DEBUT INDIE GAME 部門の最優秀賞をはじめ、様々なゲームアワードを受賞しており世界的評価が非常に高いインディーズゲームになります。
主人公はいつか現れるであろう魔物に備えて鍛錬を積んできた忍者の村の若者です。ある日、本当に魔物が襲来し主人公の村は壊滅してしまいます。絶体絶命の主人公の前に謎の男が現れ主人公を助けてくれます。謎の男は主人公に巻物を渡し、「これを氷河山の頂で待つ三賢者」に伝え去ってしまいます。主人公は気乗りはしないが、しょうがないからやってやろうと巻物を渡す使者(The Messenger)となって、氷河山の頂を目指します。
オーソドックスなアクションゲームで、任意度は中くらいです。こまめにセーブポイントもあり、クリア不可能なほどではありませんが、ある程度は「死にゲー」でゲームオーバーがストレスにならない人のほうがより楽しめると思います。
このゲームの特筆すべきは、メタフィクションかつアイロニックなユーモラスなセリフ回しです。道具屋の主人との会話はなかなかにやりとさせてくれます。
「待ってくれ、セリフが長すぎてテキストボックスからはみ出しそうだ」などなど…。
ゲームを進めるとステージクリア型から探索型へと目的が変わり、「メトロイドヴァニア」に変貌する点や、8ビットの世界(現代時間軸)と16ビットの世界(500年後)を切り替えながら進めていく点など、レトロゲームをオマージュするだけでなく、独創的な取り組みが随所に見られ、「温故知新」を体現した素晴らしいゲームです。