ショーン・コムズ / ショーン・パフィ・コムズ

ショーン・コムズ / ショーン・パフィ・コムズのレビュー・評価・感想

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ショーン・コムズ / ショーン・パフィ・コムズ
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がむしゃらに働いた成功者

ニューヨークを中心としたアメリカ東海岸を代表するHIP HOPのレーベル、Bad Boy Entertainmentを立ち上げ、自身もアーティスト、プロデューサーとして活動しているパフ・ダディは、ディディー、またはP.ディディーなど、違った名義でも作品を送りだしています。

90年代にはHIP HOPのシーンでアメリカの東海岸のアーティスト達と西海岸のアーティスト達が競い合い、それがメディアの煽りもあって抗争までに発展してしまうという、大きな事件がありました。結局、東西双方のトップアーティストが何者かに射殺されたことにより事態は収束していきましたが、このときパフィーはレーベルを代表するラッパーであり、ブレーンでもあったノートリアスB.I.G.を失いました。

ノートリアスB.I.G.を追悼した曲『I'll Be Missing You』は大ヒットを記録。イギリスのロックバンド、ポリスの名曲を誰にでもわかるほど大胆にサンプリングしています。彼のこういったいわゆる大ネタ使いを批判する声があるのも事実。またラップのゴーストライター疑惑があり、実際に本人もそれを認めましたが、2000年代後半ぐらいからは自分で書いているようです。

いろいろと批判も絶えないパフィーですが、米HIP HOP界の長者番付では常に上位に位置しており、本人が「俺ほどがむしゃらにやった奴はいない」と語るように、彼には熱意とパワーがあり、楽曲にもそれが感じられます。