OUR MAN IN TOKYO (THE BALLAD OF SHIN MIYATA) / アワ・マン・イン・トーキョー ~ザ・バラッド・オブ・シン・ミヤタ

OUR MAN IN TOKYO (THE BALLAD OF SHIN MIYATA) / アワ・マン・イン・トーキョー ~ザ・バラッド・オブ・シン・ミヤタのレビュー・評価・感想

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チカーノ・ミュージックに光を与える孤軍奮闘記

人口の約半分がラティーノを占めるロサンゼルスの中で、文化・社会的拠点であるイーストLAの音楽を日本に20年以上に渡って紹介してきた、東京のレコードレーベルのオーナー宮田信の奮闘と執念について描いた短編ドキュメンタリー。
興味の赴くまま単身LAへ飛び込み、スペイン語はおろか、英語もままならず、コネも無いままのホームステイから彼の旅は始まる。流行には乗らずひたすらルーツや文化を紹介し、日本にもチカーノファンを増やした。
レーベルを立ち上げミュージシャンを招聘し日本でライブを行う事は葛藤の連続だ。
だが、次第にミュージシャン達からも厚い信頼を得ていく。シンは音楽学者だ!我々に自信を持たせてくれ!光を当ててくれた!と感謝されるようになる。遠く離れたコミュニティーとの熱い絆は、ケッツァル、チカーノ・バットマンやエル・ハル・クロイ、ローライダーを魅了してきたジョー・バターンなどの流行を生み出した。アキラ・ボック監督は言う。『アワ・マン・イン・トーキョー』は、世間から流行の先端だと思われているヒップスターや、専門家だと信じられている音楽文化人類学者たちの、ずっと先を見据えてきたシン・ミヤタの物語だ。そんな宮田さんの挑戦は今後も続く。