フィオナ・アップル / Fiona Apple

フィオナ・アップル / Fiona Apple

フィオナ・アップル(Fiona Apple Maggart)とは、アメリカ合衆国のシンガーソングライターである。1977年9月13日生まれ。俳優のブランドン・マッガートと歌手のダイアン・マカフィーの間にニューヨークで生まれ、豊かなエンターテインメントの背景を持つ家族環境の中で育った。
1994年にレコード会社の重役へ渡ったデモテープをきっかけにソニー・ミュージックと契約を結び、1996年にアルバム『タイダル』でデビューを果たした。同作に収録されたシングル「クリミナル」は大きな話題を呼び、ビルボードチャートでの上位ランクインやグラミー賞の最優秀女性ボーカル・ロック・パフォーマンス賞の受賞を果たし、若くしてトップアーティストの仲間入りを果たす。
1999年には、ギネス・ワールド・レコーズに最も長いアルバムタイトルとして認定されたことで知られる2作目のアルバム『真実』をリリースした。映画監督ポール・トーマス・アンダーソンとの交際やコラボレーションを通じて制作された同作は、強烈な歌詞や実験的なドラムループを取り入れた独自の音楽性を示し、全米でゴールドディスクに認定されるなど商業的にも成功を収めた。しかし、当時のメインストリームの音楽業界や自身のパブリックイメージに対して強い違和感を抱き、授賞式での過激な業界批判スピーチやメディアとの摩擦を引き起こすなど、表現者としての葛藤を深めていく時期でもあった。その後、長年にわたり共同制作者として支えるジョン・ブライオンとのレコーディングを経て、お蔵入りやインターネットへの音源流出といった紆余曲折を乗り越えて2005年に3作目『エクストラオーディナリー・マシーン』を発表。自身最高となる全米初登場7位を記録し、グラミー賞最優秀ポップ・ヴォーカル・アルバム賞にノミネートされた。
2012年には、ツアードラマーのチャーリー・ドレイトンと共に制作した7年ぶり4作目のアルバム『アイドラー・ホイール』をリリースし、多くの音楽メディアから年間ベストアルバムに選出されるなど批評家から絶賛を浴びた。さらに、長期にわたる徹底的な自宅スタジオでのレコーディングを経て2020年に発表した5作目のアルバム『フェッチ・ザ・ボルト・カッターズ』では、日常の物品や愛犬の遺骨を叩く音などを用いた極めてパーカッシブなサウンドを展開し、音楽誌ピッチフォークで10年ぶりとなる10点満点を獲得した。同作により第63回グラミー賞で最優秀オルタナティブ・ミュージック・アルバム賞および最優秀ロック・パフォーマンス賞の2部門を受賞するなど、商業主義にとらわれない妥協のない創作姿勢を貫きながら、現在に至るまで高い芸術的評価と強烈な影響力を保ち続けている。

フィオナ・アップル / Fiona Appleのレビュー・評価・感想

フィオナ・アップル / Fiona Apple
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芸術性の高いシンガーソングライター

フィオナ・アップルはニューヨーク出身のシンガーソングライターで、その音楽はジャズを根底にクラシック、ロック、ヒップホップなどの多様な要素が複雑に絡み合った、芸術性の高い個性的なものです。彼女の音楽は誰にも真似できないものだし、誰も真似しようとも思わないでしょう。SNSなどの普及により、アーティスト達が自分のキャラクターを意図的にデザインして打ち出すことが多くなりましたが、フィオナの音楽はそういった世界とは別のところにあり、必然的に生まれているように思えます。そして彼女のそういった魂の叫びのような歌は人々から愛されています。

幼少の頃から精神が安定しなかったフィオナにとって、ピアノによる作曲はなくてはならないものだったのでしょう。自分を大きく見せようとすることなく、自身の抱える問題を隠さずに歌う曲には聴く人を癒す力があります。また、その歌詞には例え話のような比喩が用いられ、傷ついた心を美しい芸術に変える力も持ち合わせています。フィオナ・アップルの作品に触れたときに思うことは、人それぞれの特性は誰にも奪うことができず、自分に嘘をつくこともできないということです。インターネットやメディアからの情報が溢れていて、自分を見失うことが簡単な世の中ですが、ちょっと立ち止まって自分と向き合いたい、そんな人にオススメです。