イン・ザ・ハイツ

イン・ザ・ハイツのレビュー・評価・感想

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イン・ザ・ハイツ
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イン・ザ・ハイツ

2021年に劇場公開された映画「イン・ザ・ハイツ」は現在のニューヨークのワシントン・ハイツという実在している場所を舞台にした作品で、夢を追う主人公・ウスナビや彼を取り巻くニューヨークの住人たちの物語です。
ミュージカル映画なので時々歌を歌うシーンが入るのかなと思いきや、想像していたよりも歌っているシーンが長く、シリアスなシーンや重要なシーンを除くと、様々な登場人物がほとんど長時間歌っていて驚きました。今回、この作品で特に魅力的なキャラクターは皆の母親的存在をつとめた「アブエラ」です。彼女は「忍耐と信仰」という口癖を多用し、ウスナビが働くコンビニにやって来てよく宝くじを購入していました。そんなアブエラは、若い時に憧れていたアメリカに移住し、メイドとして長い間勤め先の床を磨く仕事を続けてきました。「しかし、気が付いたらこんな年齢。これから先どうしよう?」とアブエラが歌唱するシーンがあるのですが、アブエラの歌声が美しくとても素敵なんです。その描写の直後、アブエラは夏で暑い中停電した部屋で発作を起こして命を落としてしまいます。皆が悲しみ、主人公のウスナビも、しばらくアブエラの死に向き合えずにいます。ウスナビは夢を叶えるために今いるワシントン・ハイツを去り、故郷のドミニカに戻ることを決意しますが自分の勤めているコンビニに海の絵を描いて貰ったことで「俺の居場所はここだ」と気付き、ウスナビはワシントン・ハイツに残ることにします。そして、「亡くなったアブエラはいつも皆の心にいる」と言いウスナビはワシントン・ハイツでコンビニの仕事を続け皆と一緒に生きることを選んでハッピーエンドになりました。
作品を見た人を元気づける素晴らしい映画だと思います。唯一の欠点は、吹替字幕のセンスが微妙で、私は好きではありませんでした。