BPM / ビート・パー・ミニット

BPM / ビート・パー・ミニットのレビュー・評価・感想

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BPM / ビート・パー・ミニット
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HIVの脅威に立ち向かうドキュメンタリー風映画

今回私が紹介する映画は、BPM-ビート・パー・ミニット-だ。この映画は1990年代のフランスを舞台として、同性愛者とエイズ流行を取り扱ったドキュメンタリー映画である。あらすじは以下の通りだ。
【1990年代のパリでは、エイズが流行していた。患者の多くが同性愛者であったため「ゲイ」といった言葉から、差別や偏見が広まった。
主人公のショーンは、Act Up-Parisという団体に所属している。Act Up-Parisは、同性愛者とエイズ患者への偏見を正そうと行動する団体で、新薬の成果を隠す医師団への講義やそれに伴うデモ活動を行っている。】
今作での内容は実話をもとに作られており、時折実際のニュース映像(に似せたもの?)も差し込まれている。Act Upのメンバーがカメラを回しているシーンもあるため、手ブレやカメラワークが気になる人もいるだろう。私はそのようなシーンがあることでよりリアルに感じることができた。Act Upの会議では、誰かの意見に賛同する場合は指をパチパチとならすというルールがあり、意見のぶつかり合いが起きてもアジェンダとして話を進めていく。映画を見ているだけで、その場にいるような熱量を感じることができ、とてもワクワクした。主人公のショーンが、新たにメンバーとなったナタンと愛し合うようになり、同性での行為シーンもあるが、苦手な人も気にならない程度の見せ方をしているので、同性愛と聞いて食わず嫌いしてしまうのはもったいないのではないかと思う。カメラワークを含めた全体的な映画の見づらさを考慮して、評価は10点中7点とする。
世間で批判されていることと、自分の望むことが同じだった時、あなたなら何か行動を起こせるだろうか。映画の中でも、自分たちを理解してもらうために、もっと激しい行動を起こす派と、そうでない派に分かれている。お互いが胸に秘める葛藤を感じながら、自分だったらどう行動するのか、考えながら見てほしい映画だ。